ごあいさつ

ごあいさつ

新しい時代にふさわしい精神科医療を

当院は昭和4年、1929年に開院いたしました。このような長い歴史の中で様々な変革が行われてきましたが、特に21世紀に入ってからは清水前院長の指揮の元に、病棟再編や機能分化、様々な社会資源の整備を行ってきました。その中で入院期間の短縮、病床の削減にも取り組み、かつては400床を超えていた病床数も現在では280程度の運用となっています。これらの動きは、欧米の精神科医療を追いかける内容が多かったのですが、これからは日本の人口動態も含めた社会経済状況の変化に応じた、現代の日本社会に求められる精神科医療というものを考えていかなければなりません。
全人的な医療という言葉は昔からありますが、精神科医療こそ最も全人的な関りが必要とされる分野でしょう。うつ病や軽度の発達障害に伴う適応障害を呈する方が増えています。そういう方たちへの治療や支援には、薬物療法を中心とする狭義の医学的治療では十分ではなく、その方の育ち、学校や職場などの今おかれている環境との関連も視野に入れつつ対応する、心理的分野、社会的分野の治療も必要となります。
当院では、オーダーメイドのような、きめ細やかな精神科医療を提供できることを目指して努力しています。社会環境が激しく変化していく中で、常に新しい時代にふさわしい精神科医療の提供をめざしてゆきたいと考えています。

海辺の杜ホスピタル 院長 岡田 和史