その他
ノーマライゼーションについて②
ノーマライゼーションという理念は1950年代の北欧で、主に知的障害者を対象に提唱されたことに始まり、81年「障害者が社会に完全に参加し、融和する権利と機会を享受することに世界の人々の関心を向けること」を目的とした国連の「国際障害者年」宣言を契機に世界的に広がり、身体障害、精神障害へと障害種別を超えて発展しました。
現在の厚生労働省の定義では「障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会を目指す」とされています。
社会の在り方の変化とともに、精神科医療の現場でも80年代末から人権を守るための法律改正に始まり、地域での生活を支える福祉的施策が徐々に充実してきました。
当院も20年余りノーマライゼーションの理念に沿って、長期入院者の退院促進、入院期間の短縮、地域生活支援を進めてきました。
今後も、自らの医療がこの理念に沿っているか、自己点検を怠ってはならないと思います。
院長 岡田 和史
