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解離性障害について④

前回の解離性同一性障害に続き、解離性健忘についてです。

通常容易に思い出せるような重要な自伝的記憶(自分自身が過去に経験した出来事についての記憶)が障害され、思い出せなくなった状態を主症状とするもので、多くの場合トラウマ的な、あるいは強いストレスがかかった出来事が対象となります。

もちろん記憶に影響する身体的問題や薬物の使用などはなく、大変重大な症状であるにもかかわらず、患者さん自身はその症状を自覚していなかったり、過小評価していることが多いという特徴があります。

このような健忘には①ある出来事にまつわる局所的なものである選択的健忘②生活史全般にわたる全生活史健忘(一般に記憶喪失といわれるもの)があります。

このような病状は通常突然発症しますが、選択的健忘の場合は、何らかの耐え難い出来事の後に引き続いて発生することが多いようです。

本症の原因や病態は不明であり、有効な薬物療法もないことから、精神療法が治療の中心となります。

院長 岡田 和史

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