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解離性障害について⑤

今回は、解離性障害の三つ目の類型「離人感・現実感消失症」です。

離人感とは、自らの考えや感情、感覚、身体、行為が現実ではないように感じたり、人ごとのように外から傍観しているように感じる状態を指し、「まるで自分は映画の登場人物みたいだ」「生きている感じがしない」などと訴えることもあります。

現実感消失は、人や物、出来事が、現実ではないような、夢の中のように感じられたり、周囲の人が生きた人間と感じられず、ロボットであるかのように感じられたりします。

しかし、これらは妄想や幻覚によるものではなく、現実検討能力は保たれており、統合失調症などの精神障害で説明できる場合や、薬物の影響などによるものは除外されます。

一時的にこのような状態となることは意外に珍しくなく、単発の場合は、診断や治療の対象とする必要はないと考えられています。

この障害の原因は明確ではなく、性格要因や、トラウマ的な体験が関係していると考えられています。

院長 岡田 和史

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