その他
MCIについて
軽度認知障害(MCI)は、認知症ではないものの「最近物忘れが増えた」と本人が自覚したり、ごく親しい周りの人に気付かれたりする段階です。中には回復する人もおり、可逆的な病態であることも知られています。この時期に生活習慣を整えることは、進行を遅らせたり改善につなげたりする上で大切です。
非薬物療法の柱は、運動・食事・社会的交流に加え、禁煙です。ウォーキングや筋トレなどの運動は、脳の血流を促し、神経の働きを支えます。食事では野菜や魚、オリーブオイルを中心としたバランスの良い栄養が脳を守ります。人との交流や趣味活動も、脳を刺激し、孤立を防ぎます。読書やパズルなどの知的活動も有効とされます。一方で、今のところMCIに対して効果が確認されたサプリメントはありません。また、禁煙も大切です。喫煙は、脳血管の障害や動脈硬化を進め、認知症リスクを高めることが知られています。薬に頼る前にできる日常生活の工夫は多くあります。
令和7年9月1日 高知新聞(朝刊)掲載
精神保健指定医 内田 伸子
