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集団について考える~2人でいること~
2人でいることもどこか難しい。愛があれば世界は2人のためにあるなどと、妄想する時代はなかったですか?すてきな異性を見たり、米国で活躍する日本人野球選手のようなヒーローを見ると「こんな人と結婚できたら幸せだろうな」と考えたりしませんか?
でも理屈は分かっていますよね。必ずしも、そうではないのです。2人でいるために意識しない工夫や努力があって、理解力、共感力があればうれしくて、それらが言語化できたら最高です。「受け止める」を「言葉で抱き締める」と表現している先生がいました。それができたら2人は幸せかもしれません。
働き盛りの年代に入退院を繰り返していたけれど、今はパートナーがいて、自分のペースでゆっくりと暮らしている患者さん。「今は調子がいいです」と最高の笑顔を見ると、本当に幸せなんじゃないかな?と私は思います。誰よりも分かり合っているつもりの2人は、かえって話し合うことが難しくなるかもしれません。そのような時、精神科医師が良い通訳になるかもしれません。
精神保健指定医 弘井 正
